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人を活かす経営に至ったきっかけ

私、今でこそ初めて会う人には「こんなにゆるい人だと思いませんでした!」と言われることが多いが、創業当時から数年は1分・1秒を争うほどに、せかせかしていた。

(本人的には、そんなにゆるいかな?と思ったりしているが・・)

 

1人で創業したので、創業当時は忙しい。

ネット通販業の主な仕事は、

「受注処理」・・受注内容を確認して発送伝票などを出す。

「在庫補充」・・注文に対し、在庫がなければメーカーさんに発注する。

「問い合わせ対応」・・注文前後の様々な質問に応対する(メールと電話)

「商品発送」・・倉庫から注文商品をピックアップし、ダンボール等に詰めて発送。

「メーカーさんとの商談」・・新商品等の提案や価格交渉。

「ページ制作・更新」・・通販サイトに新商品を載せたり、既存ページを改善する。

「広告・SNS」・・サイトへのアクセス数を上げるために、広告などを出稿する。

ほぼほぼ上記を繰り返しながら、売上規模を上げていく。

 

約12年前に始めた、農業資材のECはブルーオーシャンだったので、通販サイトに時間をかければかけるほど売上が上がっていった。

なので、平日はおおよそ21時~22時まで働き、休日も携帯で受注メールを確認しながら、クレーム対応のメールを返信したりしていた。(でも売上が上がるので楽しい)

忙しい部門からスタッフを採用し人数は増え、どんどん売上は加速していった。

ちなみに創業当時の売上内容は下記のペース。

創業2年目・・2億円、3年目・・4億5千万円、4年目・・5億5千万円。

これで「ゆるい経営者」でいられたら相当な大物です。

 

社長である私は、かなりの部分を意思決定しながら、最速で売上を上げる方法ばかり考えていたと思う。

でもある休日の土曜日、家族でランチを食べ、子供も小さいのでみんなで昼寝でもしようかと1~2時間寝ていたとき、急にお腹が痛くなって起きた。

もう、脂汗をかいて悶絶するほどに。歩くこともできない。下痢や便秘の100倍くらい痛い。

土曜日の午後だったので病院はやっておらず、妻に救急車を呼んでもらう。

(ギャン泣きで当時1・2歳だった娘も、このことは今でも覚えているほどトラウマらしい。)

 

で、近くの病院に運ばれて検査をしたら、肝臓だか胆のうだかの数値が異常値で即入院。

2~3日かなぁ・・と思っていたら、2週間も入院してしまった。

 

当時会社のスタッフは7~8人。日々の仕事でも私が意思決定する場面は多かった時期。

会社のオペレーションを気にしながらも、病室から外出禁止だったので諦めていた。

そして退院し、その足で会社へ向かったが皆そんなに慌てた様子もなく、こちらを心配してくれる。

ただ数字を締めたらビックリ!!、9月だったのだが、その年の月商でブッチギのNo.1。

平均月商5千万円ほどだったのに、初の6千万超えだった。

後で聞いたが、子供がいるパートさん、もちろん正社員も、遅くまで残って仕事をしてくれていたらしい。

 

さらに同じ月に、新規事業としてトライしていた輸出事業が、始めてまとまった商談を決めてくれた。

ミヤンマーから弊社の銀行口座に約300万円の振込。輸出事業を始めて約1年で初めての快挙だった。

ちなみに、この商談について私が海外担当に指示やアドバイスをしたことはほとんどない。

銀行口座のWebサイトを見ながら、泣きそうになったのを覚えている。

 

これらのことが同時期にあり、とてもとても感動したことを覚えている。

自分がリーダーシップを取って、ECで月商5千万を超えたときなんて、大した感動はない。ただただ疲れたなぁ。。と思っただけ。

『自分が何かを達成するより、スタッフが何かを達成してくれたほうが、10倍気持ちいいんだ!』ってことが身をもってわかった。

以来、スタッフを活かす経営に、相当に舵を切り始めたと記憶している。